頭痛(他疾患が原因である頭痛)
痛みの原因が他の疾患にある頭痛です。脳の疾患の症状としてあらわれる頭痛のなかには、生命に関わる危険な頭痛もあります。頭痛が一度始まると持続的になり、痛みが激しくなる傾向があります。
風邪をひくと、ウィルス感染によって鼻水やのどの痛みなどとともに、頭痛の症状があらわれることがあります。インフルエンザ感染では、高熱をともなうため、頭痛も強くなります。
頭部の外傷や精神的、肉体的ストレスなどが引き金となって、脳細胞表面とくも膜の間に出血を引き起こし、殴られたような頭痛とともに、激しい吐き気や嘔吐の症状があらわれます。また、脳卒中の中で最も死亡率が高いといわれています。比較的若い人にも起こりやすいのですが、ピークは50~60代です。
細菌やウイルス、悪性腫瘍が脳の組織に広がることなどによって脳や脊髄を取り巻いている膜に炎症が生じ、首から後頭部にかけての強い痛みと、うなじ辺りのこわばり、発熱を引き起こします。頭を動かしたり、排便時などにいきむと、痛みが強くなります。治療が遅れると、脳に後遺症が残ることもあります。
脳内の血管が破れて、脳の中に大きな血液の塊ができます。それが脳を圧迫して、頭痛が徐々に強くなり、同時に意識が薄れ、吐き気や嘔吐、手足のしびれや感覚麻痺をともなうことがあります。
頭蓋内の組織に、腫瘍ができて、頭の一部に鈍痛や重さを感じる程度から、嘔気・嘔吐をともなう激しい頭痛、視力低下、てんかん発作、手足の痙攣といった症状がみられます。頭痛は、朝起きてすぐが最も痛みが強いといわれています。
頭部の打撲などが原因で、脳を守る硬膜と脳の間に徐々に血液が溜まり、大きな血液の塊ができます。それが脳を圧迫して、頭痛、嘔気、嘔吐、記憶力の低下、手足の麻痺や意識障害など、さまざまな病状を引き起こします。50歳以上の男性に起こりやすく、記憶力の低下を痴呆と間違える場合が多くあるといわれてます。
風邪による頭痛には、鎮痛作用のあるイブプロフェンやアセトアミノフェン配合の総合風邪薬が有効です。
クモ膜下出血や脳出血は命に関わる危険な頭痛です。痛み始めてから1時間の対処で、その後の生死が決まります。バットで殴られたような突然の激痛、激しい嘔吐などがあらわれたら、一分一秒でも早く病院へ行きましょう。ときに、意識を失うこともあるので、その場合は至急病院へ搬送しましょう。
吐き気をともなう激しい頭痛、ときに意識障害や記憶障害など、よくある慢性頭痛とは違う症状がみられた場合、すぐに主治医に相談するか、神経内科、脳神経外科で診察を受けましょう。
朝は脳内圧が高まる関係で、頭痛が起こりやすくなります。 頭蓋内に腫瘍ができる脳腫瘍は、脳内圧の影響により嘔気、嘔吐、頭痛が激しくなりますし、片頭痛や群発頭痛も朝方に起こりやすいといわれています。 この他にも、朝に血圧の上がりやすい高血圧、夜に二酸化炭素蓄積が起こりやすい睡眠時無呼吸症候群、寝ている間に鼻水が溜まる蓄膿症など、朝方に頭痛を引き起こす疾患は数多くあります。